2015年8月21日金曜日

PHVとPHEVの違いとは?【プラグインハイブリッド車】

プリウスPHVは何故PHEVではないのか?
最近そこそこ普及し始めてる気がするプラグイン・ハイブリッド車。電気自動車とハイブリッドカーを組み合わせたような自動車。コンセントからプラグを差し込むことで直接内蔵のバッテリーに充電。モーターとエンジンの動力を併用する点ではハイブリッドカーに近いとも言えるし、完全にモーターで走行する場面が多いことから電気自動車に近いとも言えます。

こんなプラグイン・ハイブリッド車ですが、略称が「PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)」と「PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)」の二種類あることに疑問を持ってる人も多そう。正直自分もあまり違いが分からず使ってた感はありますが、果たして両者に違いはあるんでしょうか?

結論から書くと、意外に両者の違いは大きいんです!



ハイブリッド車ベースか電気自動車ベースか

簡単に違いを説明すると、PHVがハイブリッド車(HV)ベースPHEVが電気自動車(EV)ベースのプラグイン・ハイブリッド車ということらしい。確かに名前からも何となくナルホドと伺えます。

例えば、PHVという略称が使われているのはトヨタ「プリウスPHV」。ハイブリッドカーであるプリウスがベースであることが容易に想像できます。そこで、ものすごくざっくり言うと、PHVはハイブリッド車のバッテリーがデカくなっただけ。

だからEVのみでの走行距離は現行プリウスPHVの場合は26.4km。(注意:2015年中にはプリウス自体がフルモデルチェンジされるのは間違いないので、プリウスPHVの性能もいずれ進化する可能性はあります)

一方、PHEVの略称を使ってるのは三菱「アウトランダーPHEV」。最近2015年6月マイナーチェンジしてフロントマスクがカッコ良くなりました。
電気自動車がベースということで、EVのみでの走行距離はアウトランダーPHEVは60.8km。プリウスPHVの倍以上。両者の車重差などを考えるとEVのみでの走行距離の長さが際立ってます。

PHEVの方が性能的には優れてるものの…

それもそのはずでバッテリー容量からして大きく異なります。例えば、内蔵してるバッテリーを満タンに充電できる時間。プリウスPHVはAC200Vで1時間30分に対して、アウトランダーPHEVは4時間もかかる。

バッテリーの位置を見るとプリウスPHVは荷室あたりに収まってるのに対して、アウトランダーPHEVは前後の座席の下が全部埋まるように収まってる。それだけアウトランダーPHEVのバッテリーはデカい。ちなみにそれで車体の低重心化が同時に図られているので、アウトランダーPHEVではハンドル操作が安定するそう。

だから両者ではエンジンを使用する目的も大きく違ってきます。PHVではエンジンは基本的に「走行」するためにありますが、PHEVではエンジンは基本的に「発電用」にしか使わない。もちろんバッテリー残量が少ないなど状況にもよりますが、PHEVではエンジンで走行することをあくまで考えてない。

実際アウトランダーPHEVはプリウスPHVとは構造も全く違ってて、前後の両輪にモーターがそれぞれ搭載されてる。その4つのモーターのみで走行するので、PHEVはいかに電気自動車を前提に製造されてるかが伺えます。逆にPHVはモーターの力はあくまで補助止まりなので、いかにハイブリッドカーの延長であるかも分かります。

つまり性能的には「PHEVの方がPHVより優れている」と言えそう。ただし両者の価格差は150万円以上あるので注意。もちろんセダンとSUVという違いもありますが、PHVはバッテリーを大きくしてるだけなので、おそらく大してコストアップには繋がらないんだと思います。だから、一概に「どちらが商品として優れているか」までは断定できません。

【スポンサーリンク】